ドキュメンタリー映画で分かった! サッカーの王様・ペレがトロフィーより欲しかったもの

【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。いや〜、サッカーワールドカップが盛り上がってますね〜! われらが日本代表は残念ながらコスタリカに敗れてしまいました。次戦は強豪スペインとの対戦ですが、なんとしても1次リーグを突破してほしいですね。頑張れ! ニッポン!

 今回はW杯にちなみ2021年のネットフリックスオリジナル作品「ペレ:レジェンド、栄光のサッカー人生」を紹介したいと思います。言わずと知れたサッカーの王様ペレのドキュメンタリー映画。ペレはブラジル代表として3度のW杯優勝を経験した唯一の選手です。「20世紀最高のサッカー選手」と称されるペレのサッカー人生を本人と親族、当時のチームメートたちが振り返ります。

 ブラジルは自国開催で優勝確実と言われた1950年のW杯で優勝を逃しました。母国の敗戦に落ち込む父親に「悲しまないで。いつか僕が優勝させる」と約束し、58年スウェーデン大会に当時史上最年少の17歳で出場し、本当にブラジルを優勝へと導きました。これだけでも漫画みたいですよね!

 卓越した身体能力でゴールを量産しファンを魅了してブラジルのスターになっていくわけですけど、苦悩の始まりでもあります。光が多いところでは、影も強くなるというのでしょうか。当時のブラジルって軍事独裁政権で国民は抑圧されていました。政権は国民のサッカー熱を利用し、ペレの功績は国の栄光としてプロパガンダに使おうとしてたんです。

 ペレは政治的思想をあえて持たないようにするのですが母国の看板は背負い続けなければならなくて。そんな中で迎えた70年のメキシコ大会で母国に優勝をもたらします。80歳を過ぎたペレが当時の重圧を思い出し、涙をこぼします。そして「最高の贈り物はトロフィーではなく安堵感だ」と答えています。王様だからこそ「安堵」という言葉が出てきたのかもしれません。

 ペレら偉大な選手たちの歴史の積み重ねがW杯の熱狂につながっているわけです。初戦のドイツ戦でゴールを決めた堂安律選手が「僕が日本サッカーを持ち上げるという気持ちでピッチに立っているので、皆さんぜひ期待してほしいです」とコメントしていました。日本人アスリートのメンタリティーもずいぶん変わったなぁと思います。プレッシャーを力に変える能力を持つ者が王様になれるのかもしれません。

 ☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。

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