■登場とともにゴラムの声で「precious!」
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラム役、「スター・ウォーズ」シリーズのスノーク、キノ・ロイ役、「猿の惑星」シリーズのシーザー役、「THE BATMAN -ザ・バットマン-」のアルフレッド役など、多くの大作に出演し、「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」では監督を務めたサーキス。ステージに登場すると「precious!」とゴラムの声で発して、会場を沸かせた。
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラムをきっかけに、“モーションアクター”の第一人者として活躍するサーキス。「ゴラムの話をもらった時は、“声だけの出演なのかな”と思っていました。でもピーター・ジャクソン監督から『新しい技術があるんだ。やってみないか』と言われてやってみたのが“モーションキャプチャー”だったんです。テクノロジーと共に進んでいった作品でした」と、「ロード・オブ・ザ・リング」を振り返り、「そういうのを使い始めて20年がたちます。早いものですね。今ではどの作品でも使われています」と“モーションキャプチャー”への思いを語った。
■サーキス「役者というのは、常に学びがある職業です」
マーベル、DC、スター・ウォーズなど、いろんな作品に出演しているということで、それぞれの魅力について聞かれると、「いろんな作品に出演させていただけてすごくうれしいです。それぞれの世界観を行き来することが許されているのを光栄に思っています」とまずは感謝の気持ちを伝え、「マーベルはユーモアがあるのが特徴です。そしてDC映画はどこかダークな面がありつつ、エモーショナルでもあります。主人公の心の奥底に潜んでいるものを伝えることで、ファンの心をつかんでいます。『スター・ウォーズ』では2つのキャラクターを演じさせてもらいました。正反対のキャラクターを演じることができて、とても面白かった」とそれぞれの魅力を明かした。
MCの米本学仁から「MCUで、ユリシーズ・クロウにまた出てほしい」と言われると、「僕もユリシーズ・クロウは大好きです。神話的なストーリーなので、どこかで登場するというのもなくはない」と答えると、会場から大きな拍手が起こった。
演じることについては「テレビでも映画でも、実写でもモーションキャプチャーでも、自分の内なる感情を見つけるということはどれも同じだと思っています。役者というのは、常に学びがある職業です」と持論を伝え、最後にリクエストに応えて、11月23日に最終話がディズニープラスで配信されたばかりの「スター・ウォーズ」オリジナルドラマシリーズ「キャシアン・アンドー」で演じた、キノ・ロイの印象的なセリフ「One Way Out!(道は一つ)」を叫んだ。
■「東京コミコン」とは
「コミコン」とは「コミックコンベンション」の略。1970年、ゴールデン・ステート・コミック・ブック・コンベンションとしてアメリカで開催されたイベントが原点で、漫画を中心としたポップカルチャーの祭典。
日本では2016年に「東京コミコン 2016」として初開催。第1回から毎年、海外の有名俳優や著名アーティストとのコミュニケーション、映画で使用されたプロップ(小道具)の展示・撮影、コスプレイヤー同士の交流の場などを設け、過去には東京コミコンの永久名誉親善大使スタン・リーや、クリス・ヘムズワース、オーランド・ブルームなど、豪華セレブゲストが登場している。
◆取材・文=田中隆信