■全世代が楽しめるテクノロジーとポップカルチャーの祭典
日本では通算5度目の開催だが、その原点は1970年にアメリカで始まった「ゴールデン・ステート・コミック・ブック・コンベンション」。つまり半世紀以上の歴史を持つ由緒正しいイベントの日本版だ。東京コミコンは、アメリカンスタイルをベースとしつつも、既存のイベントとは一線を画し、「ファミリー層から年配の方まで、全世代が楽しめるテクノロジーとポップカルチャーの祭典」「革新性と楽しさを共有する空間」をコンセプトとする、知的好奇心に訴えるイベント。コロナ禍のため2020年、2021年と見送られてしまったが、2022年は「『CONNECT』〜 新しいつながりの場 〜」をテーマに、感染対策に細心の注意を払いながら、これまで以上に充実したコミコンを目指す。
筆者はラッキーにも、24日に行われたプレスプレビュー取材に参加することができた。幕張メッセのこの区域の距離感や雰囲気については「SUMMER SONIC」や「COUNTDOWN JAPAN」などのライブイベントで知っているつもりだったので、「90分(内覧可能時間)もあれば余裕でしょ」と思ったのだが、甘かった。「アーティストアレイ」と呼ばれる出展エリア、展示アイテム、特売ブース、どこも「おいでおいで」と誘ってくるかのように魅力的だ。
■特別ラッピングカーも見事!
ふと横を見るとダース・ベイダーやスパイダーマンのコスプレをしている人が通り過ぎたり、マーベル&スター・ウォーズの物販エリアに行くとダース・ベイダーのフードインジャケットや11月23日にディズニープラスで最終話が配信されたばかりの「Andor(キャシアン・アンドー)」のクリアファイルセットの先行販売があったり、別のコーナーに行くとマーベル・スタジオ劇場最新作「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」の公開を記念して、LEXUS・マーベル・アディダスが関わった「LC500 Convertible」特別ラッピングカーが目を奪う。もうこれは、朝から晩まで楽しみ尽くすしかないだろう。マーベル&スター・ウォーズ関連だけでなく、「ターミネーター」シリーズでアーノルド・シュワルツェネッガーがまたがったポリスバイクや「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でおなじみのDMCデロリアンなども展示されている。
ちなみに三精テクノロジーズ株式会社の乗用人型変形ロボット「SR-01」は、“変形”する様子も見ることができ、これはかなりの迫力だ。
プレスプレビュー取材の時点ではまだ設営中の場所もあったが、25日の初日が始まる前にはすべてのスタンバイが済んでいることは間違いなく、そこに観客がワッと入りこんできた時の興奮と盛り上がりを想像するだけで、2022年のコミコンはいっそうすごいことになるという確信めいたものが生まれる。
アニメ、特撮、映画、アートはもちろんプロレスファンや音楽ファンにもたまらないコーナーもある。しかも「グルメプラネット」内ではキャプテン・アメリカをイメージした「キャップに捧ぐ!炭火焼ハラミのパワーステーキ ガーリック仕立て」や、「アベンジャーズ」でおなじみ「伝説のシャワルマ」(チキンケバブ)といったパワフルな食べ物も味わうことができる(15店が出店)。久しぶりに、散財の快感に燃え上がる人も多いことだろう。
◆取材・文=原田和典