「君の花になる」発のボーイズグループ・8LOOM、“どでかく打ち上げる”パフォーマンスで会場を魅了

花は、どうして美しいのか。その答えは人それぞれだが、ひとつの正解をこのライブで見せてもらった気がする。

火曜ドラマ「君の花になる」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)から生まれた期間限定のボーイズグループ・8LOOM(ブルーム)。その最初で最後のライブハウスツアー「君の花になる “Let’s 8LOOM” TOUR〜FIRST and LAST〜」が11月2日にスタートした。そんな初日公演が行われたのは、東京・LIQUIDROOM。画面から飛びだした8LOOMはどんな花を咲かせたのか。

すでに追加公演「君の花になる “Let’s 8LOOM” TOUR〜THE FINAL〜」も発表されている8LOOMだが、今回は初日公演の模様をレポートで振り返る。

■虚構と現実が融合した魔法のひとときが幕を開ける
弾が、なるくんが、有起兄が、栄治が、竜星が、巧が、宝がいる――。

エレキギターの音に乗せて8LOOM が1人ずつステージに現れるのを見ながら、そんな感動で胸がはち切れそうになる。7人がステージに並ぶと、聴こえてくるのはもうすっかりおなじみになったあのイントロダクション。そして、森愁斗のスモーキーな歌声。これから幕を開ける特別な物語の予感に、会場に集まった8LOOMY(ブルーミー、8LOOMのファンネーム)も祈るように頬を赤く染めている。

デビュー曲であり、彼らの代名詞である「Come Again」から始まった約2時間20分は、ドラマという虚構の世界と、ライブという現実の世界が融合した、まさに魔法のひととき。7色のペンライトがまるで花のように咲き乱れ、出会えた喜びを伝えるように懸命に揺れている。

歌にダンスにトークに大充実の内容だったが、中でも見どころとなったのが、このライブでしか見られない企画コーナーの数々だ。その一発目を飾ったのが「あの1シーンに挑戦!8LOOMシャッフル寸劇」。8LOOMがそれぞれ役を入れ替え、劇中の1シーンを再現した。彼らが挑戦したのは、寮母になったあす花(本田翼)と弾(高橋文哉)が再会する場面だ。それぞれくじを引いていき、あす花役は山下幸輝、弾役は綱啓永が演じることに。
1分の暗記タイムを終えて、いざ本番。驚きのあまりあす花が弾を“床ドン”する場面は、山下が綱を抱きかかえるような形に。間近で見る2人のハグに、8LOOMYから声にならない歓声が大爆発。さらにそこへ入ってくるのは、なるくん(宮世琉弥)役の高橋。なるくんの愛らしさを再現するために、高橋が地声からまったく想像できない女の子のようなハイトーンボイスで演じ、その演技力の高さに8LOOMYも驚きで目を丸くしていた。

こうした即興演技はもちろん、合間にチラ見えするメンバー同士のやりとりも、8LOOMYたちにとってはうれしいポイント。例えば、役を振り分けるためにくじを引く場面ではこんな一幕が。誰が弾の役を引き当てるのか期待の目を向けられる中、宮世が引いたのは、有起哉(綱)の役。思わず「あ〜」と残念そうな声が漏れると、有起哉役の綱本人から「ハズレ感出すな」と鋭いツッコミが入り、ついクスリと笑わされる。
また、延長戦として今度は高橋、綱、八村倫太郎の3人で別の場面を演じることに。誰が弾を演じるかジャンケンで決めることになるが、八村が「俺らが弾やっちゃいけない」「『キャー!』じゃないから。『ギャー!』だから、俺がやると」と自虐ボケで笑いを誘う。八村は安定のトークスキルと、ちょっといじりたくなる愛されキャラでライブ全編にわたって大活躍。ドラマだけでは伝わりきらないキャストたちの素の魅力が見えるのも、こうしたライブならではの醍醐味だ。

■高橋のカッコ良さに、メンバーたちもすっかりトリコ?
企画コーナーはこれだけでは終わらない。次は「目指せ1000 8LOOMY!8LOOM深掘りクイズ祭り」と題してクイズ大会を開催。「有起哉のメン花であるブルースターの花言葉は?」「巧(NOA)が着ていた動物の着ぐるみは?」など、分かるようで分からない問題が次々と出題。景品である銭湯入浴券10枚分を巡って、メンバーが本気で「はい!」「はい!」と手を挙げている姿に、脳内が「かわいい…」でいっぱいになる。

マニアックな問題が続く中、最も8LOOMを悩ませたのは最終問題。2枚の布地の写真が並び、「8LOOM公式キャラクター・リチャード2世はどっち?」という超難題にメンバーも「え〜!?」と動揺。「どこの素材を切り取ってるかわかりませんよ」「引っかけかもしれない」とザワザワが止まらない。

そして注目の正解発表。アップだった2枚の写真がゆっくりと引いていくと、片方がリチャード2世で、もう片方はなんと栄治(八村)のカーディガンというオチに。これにはメンバーも手を叩いて大爆笑。八村も「スタッフさんの悪意を感じる」とボヤきつつ、おいしいキラーパスにまんざらでもない様子だった。

結果、この日の優勝者は宮世に決定! 入浴券10枚分の使い道は「10枚分あるんで、みんなで銭湯行こう」と答え、なるくんそのままの優しさを発揮。「3枚余ってるんで、(残りは)誰か3人と」と客席の8LOOMYに話を振り、「(行きたい人)手挙げて〜」と積極的に8LOOMYと絡んで、キュートな小悪魔スマイルを振りまいた。

そして、企画コーナーのラストは「8LOOM花札トークコーナー」。花札に書かれたトークテーマに従って、メンバーそれぞれが撮影の裏話を語り合った。
「胸キュンした場面は?」というテーマを選んだのは、NOAだ。リハーサル中のちょっとした高橋の親切にお礼を言うと、高橋から耳元で「ありがとう」とささやき返されたという悶絶モノのエピソードを披露。「そういうのをしれっとできる男だからね」とみんなが納得する中、八村が「(カッコ良すぎて)一周回ってウザい(笑)」とポロリ。そこから高橋のカッコいいエピソードに話題が集まり、胸キュンシーンの撮影で監督から「カット!」の声がかかると、舌を鳴らして、人差し指と中指をくっつけた状態で頭の横で小さく振る“イケメン仕草”をしているという目撃証言が飛びだした。

それを実際に高橋本人に実演してもらうと、メンバーも「それだー!」「いつものやつです」と大喜び。高橋としては、日頃からみんながモニターで自分の演技を見ながら黄色い声を上げているので、その期待に応えるためにわざと“イケメン仕草”をキメているそうだが、そこで照れずにキメきれるところが、さすがセンター。トークの終わりにNOAが高橋に「ありがとうございました」とお礼を伝えると、またもや高橋がNOAの耳元で「ありがとう」とささやき、場内は卒倒寸前。高橋のカッコ良さは、8LOOMYはもちろん8LOOM自身もトリコにしているようだ。
もちろん音楽やパフォーマンスも、8LOOMの大きな魅力。デビュー曲「Come Again」でオープニングを飾ると、2曲目はその日が初披露となった新曲「Melody」。すっと体に染み込んでくるような心地良いサウンドと、少しかすれた歌声が色っぽい、大人なナンバーだ。ハイチェアに腰掛けてのダンスから始まり、2番では歌っているメンバーの後ろで、残りのメンバーが仲良くわちゃわちゃしているところが最高にかわいい。特に高橋が次々とメンバーを抱っこする場面では、あまりに尊すぎる光景に8LOOMYも興奮を隠し切れない表情だった。また、すっかり“公式双子”として定着している森と山下の双子ダンスもこの日が初披露。2人の息の合ったダンスに、“公式双子”沼に落ちる8LOOMYが続出した。

さらに、その後も「HIKARI」「Forever or Never」と未発表曲を立て続けに披露。まさかこんなにもたくさんの新曲があるとは、8LOOMYにとってもうれしいサプライズだっただろう。「HIKARI」は11月22日(火)放送の「君の花になる」第6話で初登場予定、「Forever or Never」はまだドラマ本編で登場していない。それぞれどんな形で8LOOMの物語を彩ることになるのか。ぜひ楽しみに待っていよう。

■世界でいちばんエモいグループだなと思っている
初めてのワンマンライブをやり遂げた8LOOM。山下が「最初で最後。期間限定なので、本当に儚く散りたいので、これからも応援よろしくお願いします!」とあいさつをすると、NOAは「初日から本当に最高の景色を見させていただいて、皆さんのおかげです。いつもありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。森も「こういう活動をやってて良かったなと思えるのがライブだなと思えるので。今日皆さまにたくさん会えて、僕たちのパフォーマンスを見せることができてうれしいです」と喜びでいっぱいの表情だ。

八村も「また会いたいなと本当に思います。だから、また会える機会を絶対僕たち頑張ってつくりますので、またそのときに会えることを楽しみにしています」と再会を約束。綱は「最近アーティストっていう言葉にやっと少しずつ慣れてきたんですけど、これも期間限定ということで少し寂しい気持ちがもうすでにある」と名残惜しい気持ちをあらわにしながらも、「最後まで僕たち8LOOMのこと応援よろしくお願いします」と有起兄らしく明るく締めくくった。

そして、宮世が「期間限定で終わりが見えてるグループって僕たちしかほぼいないと思うんですよ、世界的にも。だから、世界でいちばんエモいグループだなと自分の中で思っていて、こうしてライブを一つ一つやっていくごとに別れが近づいているのがすごく寂しいんですけど、皆さんの人生の中での一つの楽しい記憶になってほしいなと思うので、今年いっぱいよろしくお願いします!」とエモいフレーズの数々で胸を熱くさせると、最後は高橋が「『儚く打ち上げて、どでかく散ろう』と、さっきも裏の円陣で僕が言ってたんですけど」と本番前の様子を明かし、「最初で最後っていうのがツアーについているっていうのが僕らならではでありますし、この景色を見せてくれたファンの皆さん、スタッフの皆さんに感謝しかない」と改めて感謝の思いを口にした。
ここで、高橋が涙ぐむようにして言葉を詰まらせ、他のメンバーからも思わず驚きの声が。高橋はこらえるようにして「デビューして4年くらいになるんですけど、こんな景色を見せていただけるとは思わなくて」と涙声で話しつつ、「本当に辛いときも正直たくさんあって、みんなについていけていないなとか、いろいろたくさん思った部分もあったんですけど、横を見ればこの6人がいてくれて、この6人のおかげで僕はいつも真ん中で立たせていただいて、みんなにも感謝しかないです」と8LOOM愛をさく裂。「皆さんが見ているこの景色を絶対に忘れずに、一生思い出に残るように、僕らもどデカく打ち上げますので、ぜひ盛り上がってください」と最後まで全力で走り続けることを誓った。

どんな花も永遠に咲き続けることはない。いつか必ずその花びらを散らせるときがやってくる。でもだからこそ、花は美しいのだろう。やがて来る終わりの日まで、全力で太陽を浴び、自分だけの花を咲かせ続ける。そのひたむきな姿に、私たちは心を奪われるのだ。

そして、この日、東京・LIQUIDROOMで咲いた7色の花はきっとみんなの心でいつまでも咲き続ける。8LOOMという期間限定の物語は、7人のボーイズと8LOOMYたちだけが分かち合える“一瞬で一生”の思い出だ。

本ライブの模様は、11月26日(土)夜8時よりTBSチャンネルで独占放送される。

取材・文=横川良明

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