誰をも癒やす末っ子キャラが炸裂している。ラブコメドラマ「ボーイフレンド降臨!」で、天真爛漫な青年・アサヒを演じるKing & Prince高橋海人さん。ドラマ単独初主演は「自分にはまだ早いと思っていた」というが、はまり役で女性たちの心をわしづかみに。いっぽう、6歳で始め、実力も折り紙つきのダンスについては「個人としては武器」と話す。その言葉の裏の覚悟とは。
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──アサヒの愛らしさに、ドラマ視聴者からは「国民的弟」と絶賛する声が。
今回は仕事で疲れている方やフラストレーションがたまっている方を癒やしたい、そういう需要に応えようっていうつもりなので、ありがたいです。でも僕、大人っぽくなろうとしても、周囲からよくかわいいって言われてしまって。まあ、受け入れてはいます(笑)。King & Princeのメンバーでやっていくうえで避けては通れない道だなって。自分的にも甘えたいなって思ってしまうタイミングはけっこうあるので、年齢に伴って大人っぽさを手に入れていけたらって思ってます。
──最近、大人っぽさや色気が出てきたと感じる部分はある?
ええ? 自分でですか? うーん。パーマが似合うようになってきましたね。やっぱり色気がないと似合わないと思うので。なんなんですかねー。ペットで魚のベタを飼いはじめて、守るものができたからかもしれないです。こっちがどしっとしてないと、ベタも不安じゃないですか。餌をあげるために朝もしっかり起きられるようになって生活習慣も整いました。
──少女漫画がお好きとのことですが、恋愛ドラマに挑むなかでその知識は役立った?
逆にすごくハードルが高くなって怖かったんですけど、どう見せるかよりもアサヒだったらどうするかをチームのみんなで考えるなかで、今は緊張しなくなりました。作品的にあざとくはしたくないんですよ。みんなまっすぐ生きているなかで、キュンキュンする展開を見せられたらなと。
──今作での経験は、アイドルに戻ったときにも活(い)かせそう?
あー、もう活かされてます。今回のコンサート[※7〜10月にアリーナツアー開催]でも、キュンとするセリフを言ったりラブソングを歌ったりするとき、今までは固定観念で恥ずかしいって思ってたのが、だんだん壁がなくなって自然と笑顔になれるというか。すごく生き生き臨めましたね。まさか長年やってきたアイドル活動のほうに新しいエッセンスをもらえるとは。アサヒありがとうって思ってます(笑)。
──共演中のAぇ! groupの末澤誠也さん曰(いわ)く、「お互いシャイ」とのこと。仲良くなれた?
たぶんそこはスタッフさんにも面白がられてるんですけど、今度ご飯に行こうねっていう話もしましたし、仲良くなれてきてますね。末澤くんは関西で活動されてる方なので、東京にどれくらいいるのかわからないから、自分から誘おうと思って頑張りました。
人と話すのも盛り上げるのも苦手で、普段は上下関係とかを気にしてあまり距離を詰められないんです。でもお芝居の現場とかでマンツーマンで会ったら、大先輩でも意外と緊張が取れるというか。小さいときからずっとダンスをやってて、年上の人としか絡みがなかったからかもしれないですね。先輩とか後輩とかと会うときは、お芝居の現場で会いたいなって思います(笑)。
──ドラマ主題歌の「彩り」も入った、King & Princeのニューシングル「ツキヨミ / 彩り」の注目ポイントは?
以前の「ichiban」のときに、アーティストとしてもちゃんとやってるんだぜ、っていうのを知っていただけたかなって思うんですけど、今回はそれを凌駕するぐらいの曲を作りたいねっていう話をずっとしていて。そこはしっかりクリアできてると思ってます。
ツキヨミは「ichiban」と同じ振付師さんなんですけど、きっと自分たちの頑張りを認めて、より高難易度のものを用意してくださったのかなって。高い壁に挑むほうがメンバーの士気もパフォーマンス力も上がりますし、部活みたいな感じで励めるんですよ。それがKing & Princeでパフォーマンスに長(た)けた作品を作るときの毎回の楽しみなんです。
──部活みたいとは?
時間があるときに集まれる人が集まって、とにかく練習するみたいな。今回は22時とかに集まって夜中の2時くらいまでやってましたね。みんな忙しいなか睡眠時間を削ってやってるので、ピリッとするときもありますけど、それよりやっぱり責任感があって。ファンの人を「わお!」って言わせないといけないし、「ichiban」をやって世間から見たハードルも高くなってるだろうし。
──ダンスは歴の面でも実力の面でも、メンバーを引っ張る自負はある?
引っ張っていくとかはあまり考えてないですけど、自分のダンスを見てKing & Princeのファンになった人が一人でもいてくれたらうれしいなあって。だってみんなめちゃくちゃ努力してて、ジン(神宮寺勇太さん)とかも今回のレベルの上がり方はすごくて、グループとしての全体のクオリティーが上がっているんですよ。だからその勢いに負けないように頑張らないとっていう。
──力を入れたいダンスのジャンルは?
とにかく今は自分たちの色とか味を濃くしたいので、ヒップホップにチャレンジしてますね。ジャニーズのなかでも新しい路線を作りたい。先輩のまねっこだけじゃ見てくださる人も楽しくないだろうし。ジャニーズがやってこなかったダンスで、もともと(平野)紫耀と僕がやっていた(ヒップホップの)スタイルを強めていこうっていう。
──ご自身で振り付けもされますね。今年1月には、後輩グループ・Travis Japanが出演していたYouTubeチャンネルでコラボレーションを果たしました。[※ダンス動画「SHAKE」(SMAP)の振り付けを担当]
Travis Japanはジャニーズのスタイルを極めてる人たちっていう感じです。動いたとき、止まったときの一つひとつの形のきれいさだったり、少年隊さんからつないでいるジャニーズらしさを継承してるなあって。動画もずっと見てるけど、海外に行って[※11月3日にアメリカ留学から帰国]パワーアップしてるし、どんどんキレキレになってて、うわーいいなーって思ってました。自分も海外行きたいなー!って。
(Travis Japanの松田)元太とは連絡を取りあってますね。昨日の夜遅くに、僕、「あの曲好き」っていうのを「あの今日好き」って送っちゃったっぽくて。今朝、「え、今日?」「あ、ごめん、曲」っていうやりとりを東京とロサンゼルス間でしました。寝ぼけてて送った記憶もないんですけど、なんか告白みたいになっちゃった(笑)。
(構成/本誌・大谷百合絵)
※週刊朝日 2022年11月18日号[取材は10月末に実施]