<silent>目黒蓮“想”の声を聞きたい…夏帆“奈々”の願いがこもったラストシーン

川口春奈主演の木曜劇場「silent」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第6話が、11月10日に放送され、生まれつき耳が聞こえないろう者の奈々(夏帆)が、想(目黒蓮)と出会ったときの出来事が描かれた。奈々の中で徐々に大きくなっていた想への恋心と、“好きな人の声が聞きたい”というかなわぬ願いの間で泣く奈々の姿が視聴者の胸を締め付けた。(以下、ネタバレが含まれます)

■ろう者・奈々の視点で描かれた第6話

今作は「フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞作家である生方美久の完全オリジナル作品。主人公・青羽紬(川口)が、本気で愛するも別れることになってしまった高校時代の恋人・佐倉想(目黒)と8年の時を経て偶然再会。そこに待ち受けていた現実と向き合いながらも寄り添い、乗り越えていこうとする姿を描く。

放送後のTwitterトレンドランキングは毎週1位で、今作のファンは登場人物たちの気持ちが痛いほどに刺さるような状態になっている。ここまで、メインとなる人物が1話ごとに移り変わっているような印象。第1話は紬、第2話は想、第3話は湊斗目線で描かれており、紬と湊斗の別れを描く回や想の家族の話があって、今週は奈々だ。

■想が不安なときに奈々と出会った

18歳のときに難聴になった想が、ろう者向けの就活セミナーで出会ったのが奈々。その頃の想は、耳が聞こえていた自分がどんどん変わっていってしまうような不安に押しつぶされそうになっていた。

悪くもないのに「すいません」と人に頭を下げる日々。これまでの友だちとは縁を切り孤独だった想に、奈々が「音のない世界は悲しい世界じゃない」と教えてくれたのだ。想の不安に寄り添い手話を教えて、ろう者として生きる強さも与えた奈々にとっても、想はいつのまにか大きな存在に。手話だけで会話ができるほどになったころ、想から「奈々と二人で手話だけで話せるようになるのが目標だった」「奈々にだけ伝わればいいから」と言われたことは本当にうれしかったのだろう。

■奈々はちっとも悪い子ではない

想の近くにいる奈々は、これまでちょっと意地悪な行動が目立つような描かれ方をしてきた。リュックのファスナーを少し開けて想に閉めてもらう“ドジっ子”を演じていたり、紬のイヤホンを拾った想にもヤキモチを焼いて「きっとお金持ちなんだよ」と言ったり。紬と再会した後の想の心が、遠くに離れていきそうで不安だっただけなのに、つい紬を悪く言ってしまうような態度が目についた。

極めつけは、紬の通う手話教室の前で待ち伏せしていた奈々が紬を呼び出してカフェに行ったときのこと。手話が上手になっている紬が想に手話を教わっていると知ったときに「プレゼント使い回された気持ち」と言ってしまう。奈々は耳が聞こえる時代の想を知っている紬の何を見てもうらやましく感じて、自分が嫌になってしまうのだろう。恋する者が自分のみにくい嫉妬心にウンザリすることは珍しくもなんともない。奈々も普通に恋がしたいだけであり、元々はろう者も健常者も関係なく「音のない世界は悲しい世界じゃない」と言い切るような優しく強い女性である。

普段、手話をしているからかわいいハンドバッグも持てない。好きな人の声を聞くこともできない。そんな世界で生きている奈々が想からかかってきた電話を耳にあてて涙をこぼすラストシーンが胸を打った。

奈々を演じる夏帆の手話の演技に称賛の声が集まった。SNSには「奈々めちゃくちゃ切ないよ」「夏帆ちゃんの登場シーン、キラキラしてて本当に驚いた」「何も声を出さずに手話だけであんなに気持ちが伝わる演技できるのすごすぎる」と寄せられ、今週は夏帆に泣かされた回であった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

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