仲の良かった友人の影響でファッション誌を読むようになり、その中で見つけた「ニコラ」のオーディションを受けて合格。撮影のため、福岡から土日に東京へ行く日々が始まった。「部活みたいな感覚で、土日は東京に行って同世代の子たちとかわいい服を着て、ロケ行ってってやっていた」というが、そのうち「うまくいかなくなってきて」と壁にぶつかったという。そして、ショッキングな出来事が。「表紙のお話もいただいたのに、撮影までして結局ボツになって。悔しくて、わあっと泣いて」。自身のふがいなさで、どん底を味わったことを明かした。
そんな時、事務所のスタッフが忠告をくれたという。「事務所の方が、“今着ているお洋服は、誰が作って、どこから来たものか知っているの?”っておっしゃって」。エライザにとって、目からうろこの言葉だったようで、「そんなことも知らなくて今までやってきたのかって。“知らないです”って言って」と明かした。
事務所スタッフからはさらに、世界各国の本を売っている東京・代官山の蔦屋書店を教わったそうで、「すぐ行きました」。日曜に仕事があった日は土曜に前乗りし、むさぼり読んだという。「1日中いました。制服だったので、何となくそろそろ制服じゃまずいかなっていう8時くらいまで」。立ち読みばかりだったことには「申し訳ないなって」と、書店への謝罪も口にした。
世界のファッションやその歴史を知るうちに、意識も変化し始めたという。さらに、ファッションに応じて自分をどう生かせるかも頭の中で考えられるようになった。「“この雑誌だったら、自分はこういう立ち位置で出ることができると思います”とか、“こういうお洋服だったら、自分はこういうふうに着られると思います”って全部メモして、事務所に渡しました」。努力が実を結び、16歳になって晴れて「ニコラ」の単独表紙を初めて務めることになったという。
さらに、この話には後日談があった。エライザはその後、罪滅ぼしも兼ねて、ロケで同書店へ行ったという。その様子を会社の関係者が見ていたそうで、「TSUTAYAのCMに出ることになりました」と笑顔で報告。MCの山崎育三郎は「ずっと立ち読みを続ければ、TSUTAYAのCMが来ると?」とツッコミを入れ、笑わせた。