本作は、偶然のいたずらでひとつ屋根の下で暮らすことになった2人の恋と、家族のつながりを描くハートウォーミング・ラブストーリー。小さな診療所で医師として働く俊英役として主演を務めた高杉は、「こうやって無事に皆さんと一緒に(舞台挨拶に)立てることがうれしい。皆さんに観ていただけることが当たり前ではないことは理解しているので、本当にうれしく思います。こうして届けられたことが幸せ」と会場を見渡し、感無量の面持ち。「大好きな作品」と愛情をあふれさせた関水も、「皆さんと幸せを共有したい」と大きな笑顔を見せていた。
松永は、「普段は音楽の活動もやっているので、こういう貴重な経験をさせていただけるのはありがたいこと。舞台挨拶の日にも呼んでいただいて光栄です。ちょっと緊張しています」と挨拶した。撮影も「ずっと緊張していた」そうで、演技も「全部難しかった」と苦笑い。「どう評価していただけるのか不安だった部分があるんですが、いいお言葉をいただくことが多いのでホッとしています。地元の友達からは『高杉くんに会えてうらやましい』とか『会わせてくれ』『連絡先を教えてくれ』とか雑多な連絡が来ました」と周囲の反響を明かし、高杉を笑わせていた。
さらに松永は「セットとかすごいなと思いました。経年変化の感じとか、庭の表情や日光の感じも全部職人さんがスタジオで作っている。衝撃を受けました」と映画の撮影現場で新鮮な刺激を受け取った様子。演じた役柄は高杉演じる俊英の親友役だが、「高杉さんとは、お互いに人見知りを発揮した。しゃべろうとしてしゃべれないみたいな、つばぜり合いみたいなのがあった」そうで、高杉も「変に緊張しちゃった」と告白。「『タートルネック似合いますね』という話をした」と笑うと、松永は「『絶対、高杉さんのほうが似合いますって!』と返した」とぎこちない会話が続いたことを楽しそうに振り返っていた。
終始笑顔が絶えない舞台挨拶となったが、芹川は「すごく仲よくなりました」と共演者陣を見渡してにっこり。芹川を中心に大笑いすることも多かったというが、この日のステージでは芹川が“自分の言い間違いが下ネタにつながってしまった”という話を始めて、関水は「その話をここでするとは思わなかった!」、高杉も「なにやってんすか!」と芹川の爆弾発言に大爆笑。高杉は「このような感じで、笑顔があふれる現場で撮影をさせていただいた。こうしてできた映画がステキじゃないわけがない感じがしている。皆さん一生懸命に、ステキな作品をつくろうとしていた。劇場を出た時に、自分も小さな幸せを見つけようと思ってもらえたらうれしいです」と心を込め、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝