今回、始動したのはさんまの「デジタルクローン プロジェクト」。デジタルクローンとは、元となる人間ソックリな価値観、考え方を持つAIで、姿・形も映像で再現されたもの。人間と同じように話の流れをくみ取って答えることができるという。デジタルクローンを独自開発する、株式会社「オルツ」副社長の研究者・米倉豪志氏らが今回のプロジェクトに参加した。
さんまの過去の映像・音声をAIに学習させた米倉氏は、姿の再現に苦戦したとし、「さんまさんをやってみて分かったけど、今までで1番難しい。歯が難しい。こんな規格外の口をしている人は初めて。AIが知っている人間の口とだいぶ違っていて、非常に難しい」と明かした。さらに従来のAI学習が通じないといい、「さんまさんがこれまで、何十年もかけて繰り返しやってきたことによって、やっと意味の出る一言、だから面白いという状態が出来ている。AIからみても全然想定できない、AIも混乱している」と話すと、スタジオのさんまは苦笑いだ。
米倉氏は「うちのデジタルクローンの手法は洗練されてきていると思っていて。どんな人でも精度を上げられると、おごっていた」と告白。「さんまさんをやったおかげで(違うと)気付かされて興奮しました」と、やりがいを口にした。お笑い芸人のデジタルクローンはこれまで作ったことがないことに加え、不規則なトークなどで、AIが学習する難易度が上がるそうだ。
さんまは「無理やと思うねんな、本当に。質問によっては肯定したり否定したり、その日によって流れで話を変えるやんか。それは無理やろ」とコメント。「あくまでもコンピューターなんやな」と続けた。米倉氏は、40日ほどの作業で完成度は「2%くらい」と打ち明け、「歯がですね、全然AIが知らない歯なんですよ」。さんまは口元を手で隠し大笑いで、「これくらいええやろ。知っているやろ。AI、お前歯医者行けアホ!」とツッコんでいた。