体調不良から出席が危ぶまれていたエリザベス女王だが、当人の強い意志により杖を携え、次男のアンドルー王子にエスコートされながらも、最前列に着席。ウィンザー城で行われた葬儀の際には、コロナ禍で人との距離をとる必要性があったことから、喪服でポツンと1人寂しく座っていたエリザベス女王の姿が涙を誘ったが、今回は子どもたちであるチャールズ皇太子夫妻、アン王女夫妻、そして孫であるウィリアム王子夫妻、ベアトリス王女夫妻やユージェニー王女夫妻、そしてジョージ王子、シャーロット王女などひ孫に至るまでが、前後に並んで出席。
ボリス・ジョンソン首相をはじめ、生前に携わった慈善活動などでゆかりのある人々や欧州ロイヤルのメンバーなども出席したが、ヘンリー王子は欠席だった。
エリザベス女王、長女のアン王女、そしてカミラ夫人はそろってダークグリーンの装いだったが、これは「People」などによれば、エディンバラ公爵であったフィリップ王配にちなんだ「エディンバラ・グリーン」といわれる公式カラー。プライベートスタッフの制服や、葬儀の際、棺が運ばれたランドローバーも故人の遺志により、自身がデザインしたモスグリーンだった。
また、エリザベス女王が日頃からなにかしらの意味合いを持たせることが多い、イエローゴールドにルビーとダイヤがあしらわれたブローチは、1966年にフィリップ王配から贈られたもの。これまでに何度も着用しているが、結婚70周年となるプラチナ婚を迎えた、2017年の公式ツーショット写真、そして昨年5月22日、フィリップ王配が亡くなったあとの公務でもこのブローチを選んでおり、いまもフィリップ王配の存在を感じられる特別な想いがあるようだ。
「Daily Mail」などは、寺院内のエリザベス女王が、目に涙をためている様子を捉えた写真を掲載し、「珍しく感情を表しているが、エリザベス女王は、やっと追悼式典を行うことでフィリップ王配に別れを告げることができたのではないか」と紹介。3つ後ろの席で、ベアトリス王女が号泣している様子なども捉えられているが、無事に追悼式を終え、エリザベス女王は再びアンドルー王子のエスコートで車に乗り込みウィンザー城に戻った。
バッキンガム宮殿によれば、昨年4月17日に葬儀は行われたものの、コロナ禍で規模を大幅に縮小。今回は、昨年実現しなかったことも含め、音楽もフィリップ王配のチョイス、装飾の花は、挙式の際のブーケに使われたものなど、エリザベス女王の意向をくんだ形で執り行われた。
文/JUNKO