小宮悦子の語り口は変わった…元々は高い声、久米宏から「読んでないように読んでくれる?」

小宮悦子の語り口は変わった…元々は高い声、久米宏から「読んでないように読んでくれる?」

ナレーション収録後、「まだまだ100回。歌詞にぬくもりのある歌を伝えていきたい」と話す小宮悦子 【読売新聞社】

(読売新聞)

 「ニュースステーション」や「スーパーJチャンネル」のキャスターとして活躍した小宮悦子(64)。今はBS朝日「子供たちに残したい美しい日本のうた」(土曜午前11時)のナレーターとして、かつてのクールな印象とは打って変わって温かな語り口で童謡や唱歌を紹介している。ただ、そこでもかつての相方・久米宏から受けたアドバイスが生きている。(文化部 若林圭輔)

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「ん?今日はちょっと高いねえ」声下げるよう再三指示

 「子供たちに――」は2017年に始まり、8月27日で新作放送100回を迎えた。「コロナ禍で世の中の状況が厳しさを増した中で、少しでもみんなが元気になれたり、優しくなれたり、歌の一つも歌ってみようという気持ちになっていただけたら本当にうれしいな、という気持ちで続けてきました。静かな映像が多く、ずっと低い声で話してると、どうしても単調になるので、曲によって声を変えています。割と細かくいろいろとやるのが好きな方なんです」

 確かに「ニュースステーション」当時とは声の質が違う……と思ったら、「元々の声は高いんです」と明かしてくれた。

 「自分では気付かなかったですけど、『ニュースステーション』では、久米さんやプロデューサーから『声を下げろ』と指示が来まして。しばらくは、もうそれしか言われなかった。体調が悪くなると、声の高さが上がってきますが、するとすぐに久米さんが『ん? 今日はちょっと高いねえ』と。そういうやり取りばかりでした……」

ゆっくり落ち着いた時間帯、ニュースの骨を女性が担う…納得の指摘

 今では、そうした指摘にも納得がいく。「夜の10時、仕事や家事がひと通り終わり、ゆっくり落ち着いた時間帯で、しかもニュースの骨の部分、硬い部分を女性が担っていたものですから、やっぱりそこは低く、説得力のある声でということだったんだと思います」

 「子供たちに――」での話しかけるような語り口は、久米からのもう一つのアドバイスが生かされているようだ。「ニュース原稿を読むとき、『読んでないように読んでくれる?』って言われまして。禅問答みたいですよね。

 原稿だけれども原稿から少し離れてほしいということだと思い、自然に話しかけている感じを心掛けました。今も優しく語りかけるようにしています」

古い歌にもニュース性がある

 番組では、曲はもちろん、歌が生まれた風土や作詞者の生涯なども紹介している。「イージーな方向に行かず、説明すべきことはきちんと伝える、うそのない番組です。テレビって、常に新しい発見がある『ニュース』だと思うんです。そういう意味では、古い歌を扱っていますが、やっぱり発見があり、ニュースの部分もあると思います」と力を込める。

 「昔から変わらない思い、『みんなが幸せで平和で、そういう世界を生きていきたいね』という願いの詰まった番組です。コロナ禍、ウクライナ情勢、異常気象など色々起きる中、優しさやぬくもりのある童謡や唱歌の輝きは増している。そんな歌を未来へと伝えていきたいです」

◆こみや・えつこ 1958年、東京生まれ。東京都立大を卒業後、テレビ朝日入社。85年に「ニュースステーション」キャスターに抜てきされ、「悦ちゃん」の愛称で親しまれる。98年に同番組を卒業し、2010年まで「スーパーJチャンネル」のキャスターを務めた。

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