作家の鈴木涼美(すずみ)氏、島田雅彦氏、社会学者の宮台真司氏、ラジオDJのジョー横溝が20日、東京・渋谷区のLOFT9 Shibuyaでトークイベント「100分de『ギフテッド』」を行った。
鈴木氏は夜の世界で生きる人間を書いたデビュー作「ギフテッド」が第167回芥川賞候補となるなど、注目を集める気鋭作家。大学在籍時にセクシー女優として活動し、卒業後は新聞記者を経て作家転身した経歴も話題となった。
芥川賞選考委員である島田氏は同作を「最後の詩がいいんです。傑作ではないんです、わざと失敗作の詩を持ってくるところが〝あざとい〟なと」「あざといということは技巧的ということです」などと評した。トークショーでは作品の魅力を語り合うと共に、芥川賞選考の舞台裏なども島田氏から明かされた。
受賞を逃した鈴木氏は「ノミネートが決まってからは賞を逃したのは残念に思いましたが、最初に作品を雑誌に載せて頂いた時には賞の候補になるとは思ってなかったです」と当時の心境を明かした。
島田氏が「(選考会の結果報告を)歌舞伎町のホストクラブで待ってたと聞いたけど」と聞くと、鈴木氏は「(会見で)『ホストクラブで待ってた』と言いたいがために。早い時間なんで営業時間外だったんですけど、貸し切りで。ホストの方もいましたね」と笑った。