昨年8月19日に新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した俳優、千葉真一さん(享年82)を偲ぶ会が17日午後、東京・新宿区のリーガロイヤルホテル東京で営まれた。故人と生前親交のあった芸能関係者らが続々と詰めかけている。
多数の白い花で飾られた祭壇の写真でほほえむ故人は口ひげを生やし、精かんな面持ち。黒いTシャツからのぞくたくましい両腕は、アクションスターとして内外で活躍した頃を偲ばせた。
喪主は最初の妻で女優、野際陽子さん(2017年死去、享年81)との長女で女優、真瀬樹里(47)。報道陣を前に「父が他界して、あさってで1年。(コロナ禍で)予定が延びるなどしましたが、一周忌の時期にできてよかった。父は人が大好きだったので、いい会にできれば」とあいさつした。
1968年から始まり73年まで放送されたTBS系人気ドラマ「キイハンター」で共演し、発起人の一人に名を連ねる俳優、谷隼人(75)は「走るジープから一緒に飛び降りるシーンを撮ったりしたけど、リハーサルでいきなり『谷、飛び降りるぞ!』と言われたときはびっくりした」と述懐。「千葉さんは猫のように(フワッと)降り立つ。肉体で魅せるスターでした」としみじみ振り返った。
千葉さんは後年「その後のキイハンター」をドラマ化したいと話してくれたそうだが、実現しなかった。「お互いに大好きだった高倉健さん(故人)をゲストに招いて天国で作ってほしいな。でも、僕はまだまだ未熟だし、(天国には)呼ばないでほしい」とユーモラスに続けた。
映画「戦国自衛隊」で共演した歌手、錦野旦(73)は「僕のようなアクション素人にも『そのまま力を抜いてやりなさい』とアドバイスしてくれました」と懐かしそうに振り返った。
偲ぶ会はこの日、午後1時からの関係者の部、午後3時からの千葉さんが創立したアクション事務所関係者の部、午後5時からの一般の部の3部に分けて行われ、会場に映画ポスターや家族との写真が飾られる中、参列者はそれぞれ献花を行った。