■頼時は“泰時”に名を変えられた
三谷幸喜が脚本を務める「鎌倉殿の13人」は、源頼朝(大泉洋)に全てを学び、武士の世を盤石にした男・北条義時と、彼を中心に鎌倉幕府将軍“鎌倉殿”を支えた13人の家臣団の生きざまを描く物語。放送後のTwitterトレンドランキングは毎週1位を記録している。
鎌倉殿の周囲は今週も波乱続き。頼朝亡き今、頼家(金子大地)は自分の頼りなさを自覚しながらも、本音を語り合える相手は見つけられていないといったところ。義時の息子・頼時(坂口健太郎)は頼家から“泰時”と新しい名を付けられ不服そうな表情を浮かべた。
全成(新納慎也)が時政(坂東彌十郎)とりく(宮沢りえ)に頼まれて、鎌倉殿を呪詛していることを実衣(宮澤エマ)が察知。義時は時政たちに「やめてくれ」と強く求めた。
■善児が育ててきたトウの鋭い目付きにドキッ!
今週視聴者を驚かせたシーンは、景時の“置き土産”的存在の善児が「さすがにわしも歳をとったので二代目です」と、若い女性を連れて現れた場面ではないだろうか。謎多き暗殺“ヒットマン”である善児が人知れず育てていたのは、範頼(迫田孝也)の暗殺を目撃していた農家の少女であろう。
眼光の強い目付き、目にも止まらぬ速さで回転して刀を構える立ち回りは、善児がここまで仕込んだであろうスピードと鋭さがあり、漫画の世界から飛び出してきたような闇要素があるキャラクターだ。トウがこの先、どんな行動をしていくのかはまったく読めない。しかし、番組HPの人物紹介に「善児に育てられた孤児。狙うのはなにか。」と記されているのは、育ての親譲りの薄気味悪さを感じる。善児が景時から戻された袋の中身を「見ました?」と聞いてきて、義時が首を振っていたのも真相はこれいかに。
演じる山本千尋は、1996年8月29日、兵庫県出身のアクションを得意とする女優。子どもの頃から中国武術でJOCジュニアオリンピックカップに出場し、長拳、剣術、槍術で優勝や金メダルを獲得している。長拳普及指導員や、プロボクサーライセンスの資格を持つ、強くて美しい女性だ。
トウの再登場に対して視聴者はSNSで「あの子、目ヂカラものすごかったね」「登場したとき、違う映画始まったかってくらい、トウって雰囲気があった」「善児がどう育ててきたのか気になるわー」等、この後、どんな人物となっていくのか興味を持つ人が多かった。